ボルボ XC40 「実はステアフィールが絶品」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

工藤 貴宏
工藤 貴宏(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

4

デザイン
4
走行性能
5
乗り心地
4
積載性
4
燃費
4
価格
2

実はステアフィールが絶品

2022.7.20

年式
2018年1月〜モデル
総評
ボルボでもっとも身近なモデルであり、XC60やXC90など大きなモデルは必要ないと考えている人との相性は抜群。また、ボルボの安全性能の高さは今なお世界をリードするものであり、そこを最重視したクルマ選びやそんな会社の方針に共感できる人も積極的にボルボを選ぶ意味があると思います。
満足している点
絶妙なパッケージング。乗り心地の良さ。ロングドライブでの疲労の少なさ。……XC40の推奨ポイントはいくつもあります。なかでも運転好きとして素直に感じるのは、スッキリと澄んだステアフィール。これはライバルたちと比べてもかなりのアドバンテージといえます。また、先進安全機能も含めた安全装備や安全性能は世界のトツプ水準を走ります。
不満な点
全幅1875mmとコンパクトモデルの割にはゆったりとしていて、日本での道路環境を考えると駐車場の幅が狭いと感じるシーンもあるかもしれません。マンションの機械式立体駐車場の多くは入庫可能車種の全幅が1800mmもしくは1850mmなので、自宅駐車場がそれに該当する人は要注意。
デザイン

4

北欧らしさを感じるクリーンなデザインが好印象。澄んだ空気や美味しい水のようにスッキリとして、多くの人が嫌悪感なく受け入れることができるでしょう。“ボルボらしい強い個性”は感じにくいですが、フロントグリルの意匠やヘッドライトの雰囲気などからはボルボらしさが伝わってきます。一見したところかなりコンパクトに見えてBセグメント(トヨタ「ヤリスクロス」など)程度にも見えるが、全長4440mm×全幅1875mmと実際にはそれらより一回り大きい車体です。
走行性能

5

なにより特筆すべき美点はステアリングフィール。パワステのアシストを強めとして軽い力でハンドルを動かせる昨今のトレンドを反映しているのだが、おかげでスッキリと軽快で滑らかな運転感覚が味わえます。動力性能は163psの2.0Lターボエンジンを積む「B3」でも余裕があり、高出力仕様の「B4」となればかなりの速さ。現在は販売を終了したプラグインハイブリッドモデルは、エンジンの存在感を感じさせるXC60やXC90のそれとは異なりモーター走行感が強いのが印象的でした。EVモデル「リチャージ」のツインモーターは過激な加速が特徴です。
乗り心地

4

乗り心地の良さはボルボのすべてのモデルに共通する魅力。コンパクトタイプのXC40もしっかりとそんなボルボらしさが注がれていて、日常の移動はもちろんロングドライブでも疲れないのはさすがですね。路面の凹凸があってもサスペンションとボディがそれをしっかりとやわらげ、大きな衝撃を乗員へ伝えないのが美点です。ボルボの歴代モデルが持つ、乗員を優しく包み込んでくれる感覚は今も健在といえます。
積載性

4

クラスを超えた水準が素晴らしい。後席を起こした状態での荷室容量は460Lと十分だし、なにより床の奥行が兄貴分の「XC60」に比べてほんのわずかしか狭くなっていないパッケージングが絶妙です。フロアボードにより荷室は上下に分割されていて、効率よく荷物を収納可能。また、これもボルボの伝統的な美点ですが、リヤシートを倒すと床は完全にフラットになるのもうれしいところ。その際の、運転席を身長168cmの筆者の運転ポジションに合わせた状況での荷室床の奥行きは1.8mを超えます。
燃費

4

もっとも燃費の優れる「B3」系グレードのWLTCモード燃費は14.8km/L。163psを発生するエンジンを積んでいると考えれば優れていると判断していいのではないでしょうか。48Vハイブリッドの搭載も効いているのでしょう。それに比べると数字は劣るものの、何気に凄いのが高出力仕様のエンジンを積む「B4」系。197psとパワフルなエンジンかつ4WDながら、14.2km/LとFFのB3に比べてほんのわずかしか劣らないのは驚きですね。燃料はハイオク指定です。
価格

2

もっともリーズナブルなグレード「Plus B3」で459万円。装備の充実した「Ultimate B4」で569万のプライスタグ。国産車に比べると高価な印象は否めませんが、中身を考えれば納得。EVモデルまで含めて考えれば、「Recharge Ultimate Twin Motor」の679万円は、ガソリン車の110万円アップと考えると超お買い得です(差額の半分程度は補助金で埋められる)。
工藤 貴宏
工藤 貴宏
自動車ジャーナリスト
1976年生まれ。クルマ好きが高じ、大学在学中に自動車雑誌の編集部でアルバイトしたことをきっかけに、そのまま就職。そして編集プロダクションを経てフリーランスの自動車ライターに。日々新車を試乗し、日夜レポートを書く日々も気がつけば10年以上。そろそろ、家族に内緒でスポーツカーを買う癖はなんとかしないと。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
ボルボ XC40 新型・現行モデル

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